日本人というと、ミャンマーでは非常に友好的に接してくれる場合が多い。なので、多くのミャンマー人はインタビューに気軽に応じてくれる。ミャンマー人同士だと警戒される場合も、「チュノン ジャパンルミョ バー(私は日本人です)」と言えば、警戒心を解いてくれる場合が多い。
昨日(2月13日)、レーダンのピィー道路の高架橋で街の様子を見ていた。私のすぐ隣には、男二人が私と同じように下を見ていた。何か雰囲気がおかしい。インタビューをすることにした。
Aと名乗る彼は44歳。友人と二人でミンガラドンからバイクで来たという。何しに来たかと尋ねると、デモを応援しに来たと女性が一人割り込んできた。去年の選挙はどこに投票したかと聞くと、NLDだという。じゃあUSDPは嫌いなのかとという質問には、
「USDPでもNLDでも国のためになる党だったらどこでもいい」
と女性が答えた。クーデターを行った国軍は嫌い? と尋ねると、3人とも黙ったままだ。
デモを行っている人たちを応援に来たと言うのに国軍に対して何も言えないのだ。さらに、
「前から不思議に思っていたんだ。たくさんのミャンマー人に話を聞いたけど、みんな軍が嫌いと言うんだ。軍が好きな人も少しはいると思うんだけど」
と、尋ねた。答えはなく、3人共すぐ近くに停めていたピックアップトラックに乗り込んで走り去ってしまった。
あれっ? さっき「バイクで来た」と言っていたはずだが。
証拠はないが、彼らは軍人または軍関係者に違いない。デモの応援に来たというのに険しい顔で睨んでいただけで、応援するそぶりはまったくなかった。ミンガラドンから来た(嘘かもしれないが)と言っていたが、ミンガラドンには軍の基地がある。彼ら二人とも坊主頭だった。それに、バイクで来たと嘘をついている。私と話しているときも険しい顔でニコリともしない。
彼らと話をしてひとつ怖かったことがある。「デモの応援に来た」とか「バイクに乗ってきた」とか嘘をついているのに、「軍が嫌い」「USDPが嫌い」とは一言も言わなかった。嘘でもそういう言葉を出せない人たちなのだ。
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